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viva! non-no
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BGM♪ 涙がキラリ☆ / Spitz


以前も書いたが、温泉センターが滅法好きである。郊外の、どの街にも一つくらいはあるアレだ。

最近、車で10分ほどの近所に「灯台下暗し」な温泉センターがあるのを発見し、連日のように欣喜雀躍
と通いつめている。撮影で疲れた体を癒し、パソコンと睨めっこして凝り固まった心をほぐすために。

風呂に入るときは勿論、誰でもみんな裸になるわけだが、ここに服を纏った時とは違う人間観察の面白味
がある。堂々と胸を張って前も露わに大股で入ってくるヒトもいれば、ちゃんと前をタオルで
巧妙に隠し入ってくるヒトもいる。これは外見に関係なく人それぞれなので面白い。

一見草食系の気弱な感じの青年が、ガニ股で己の「珍」をモロ出しで、どかどかッとタオルを肩に担いだイナセな姿
で現れたり、はたまた、ボディービルダー顔負けの超マッチョ体育会系な色黒のお兄ちゃんが、ピンクの
小さなタオルで己の「狆」をチョコンと隠しつつコソコソっと現れたりと、この意外性が面白い。
そういうお前はどうなのだ?と訊かれれば、私はあの広い浴場や露天風呂の開放感を存分に味わいたい
ので、「朕」も露わな一糸纏わぬスッポンポンである。露天風呂脇にあるスノコを載せた「寝転び台」に
その姿で寝転び、風呂で火照った体を仰向けにして、流れる雲や飛び交うツバメを眺めつつ風に吹かれて
いると、そのまま空を飛んでゆきそうな開放感に思わず垂涎する。行ける時には、一日の疲れがどっと
出る黄昏時が好ましい。
風呂で癒されたフル朕で露天風呂脇に寝そべり、どこかの家の換気扇から漂ってくる香りに鼻を蠢かせ、
今夜はカレーにしてみよう・・・などと、食欲もひとしおである。

・・・が、そんな風呂屋では、しばし私の心の葛藤を促す出来事があるのだ。

風呂屋のスタッフであるオバサマたちが、掃除やお湯の検査、サウナの敷きタオルの交換、
備え付けシャンプーなどの補充のために約30分間隔で、やおら男湯に登場するのだ。

母親よりずっとご年配かと思われるオバサマたちと言えども女性である。
脇目も振らず、見事なフットワークで浴室内の作業をこなして、まるで空気のように黒子に徹するのだが、
いきなり現れた女性に対し「朕」を丸出しでオラオラっと闊歩しているのが、なんだか気恥ずかしくなってしまう
のは、これ人情というものであろう。

勿論、スタッフのオバサマたちは黙々と業務に徹しているわけで、ましてや私みたいな小汚い
男の裸体など興味のキョの字もないであろうが、やはり女性の前でそのままいるのは動揺してしまう。
他のメンズたちはどうなのか・・・?と浴室内を観察してみれば、さっきまで私同様「おらおら朕」の我が物顔で
浴場のど真ん中を闊歩していた御仁が心なしか通路の端っこをやけにそそくさと湯船に向ってゆき、
湯船に浸かりながら露骨な猥談に花を咲かせていた大学生たちは一斉に話題を変え、
ガバっとガニマタで頭髪をガシガシっと「男洗い」していたトッポイ兄ちゃんの「ガニマタ」が
「ニマタ」くらいにしぼんでしまったりしている様子が伺えたりする。
そこへきて私は、堂々と「曝し朕」すべきか、はたまたコソコソと「隠し朕」すべきか迷った挙句、
そのオバサマたちが居ないかの様に、そのままでいることにした。心の中ではかなりの動揺があるのだが。

それが、男湯に堂々と登場し、仕事に徹する彼女たちに対する礼儀であると勝手に心得たからだ。

と言うのは方便で、ただ気恥ずかしさを悟られるのがイヤな見栄っ張りなだけであるが。

そこで最近物思う。もしこれが天下の往来であったなら、たちまち私は猥褻物陳列的な罪により、要するに
ヘンタイとして連行されてしまうだろう。そして、今夜の夕食に・・・と予定していたカレーではなく、
無機質な部屋のスチール机で、刑事が出前を頼んでくれたカツ丼をボソボソと食べるハメになるだろう。

ということは・・・そう。大衆風呂とはちょっとした無法地帯なのである。そんな「ちょいアウトロー」な風呂屋
ってものが、開放的で私は大好きである。

先日、ちょいと長湯して良い気分になった浴場からの帰りしな、浴場出口の脇に「フット&ハンド・ダブル
マッサージャー!」などと、仰々しい幟が立っているコーナーがあるのに気づいた。よく見れば、なんの
ことはない。手首の大きさに二つ穴が開いたマッサージ器が机の上に置いてあり、その机の下に、
足の大きさに二つ穴の開いたマッサージ器が置いてあるだけのことであった。なんとも大袈裟な幟である。
普段だったら「ダブルじゃないじゃん。セパレートじゃん。」などと意味不明の毒をついて見向きもしないが、
その日は大変気分が良かったので、300円を払ってその機械を使ってみることにした。
旅行先でハイテンションになって、財布の紐が緩くなるのに似た気分である。

さっそく硬貨を投入し手足を機械に突っ込んで待機していると、10秒ほどして機械が動き出した。が、
調整が強すぎて手足がギチギチと締め上げられて、髪の毛が逆立つほど痛いではないか。
これはタマラン・・・と、ギチギチと締め上げる機械からようやっと手足を引っこ抜き、
目の前に貼ってある「使い方」の貼り紙をよく見ると、手足の各機械の脇に調整ボタンが付いていて、
それで強弱を調整できるとある。やれやれと、手、足、両方の機械の締め付けを弱くして再度手足を
突っ込もうとしたところ・・・作動中のマッサージ部分の「ゴロゴロ」が邪魔をして、手足が上手く入らない。

ならば一度電源を落として・・・と思って件の貼り紙を見てみれば、「途中で終了したい場合は電源をお切り
ください。※一度電源を切りますと、再度硬貨を投入するまで電源は入りません。」などと、あしからずに
書いてあるではないか。

「ヴイ~ン ヴイ~ン」と空しく音を立てる機械の前でしばし呆然と佇み、その音を背中で聞きながら、
とても悲しい気持ちで風呂屋を後にした。

model : yuya tsuruta
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by hideet-seesaw | 2011-08-14 23:31 | photograph