<   2011年 01月 ( 3 )   > この月の画像一覧
like a crazy beast.
a0152148_14581935.jpg


BGM♪ Misirlou / Dick Dale


携帯電話に概ね月に一度の割合で、

「差出人・ネエチャン 件名・明日 本文・やるよ」

という主語句点も飾り気も全くない、徹底的に無駄を省いたシンプルこの上ないエコなメールが届く。

私と同市内に住む二人の子持ちである2歳上の姉は、こうしていつも私を姉家族で月に一度催す
「ザ・からあげデー」に誘ってくれるのだ。もう毎度のことなので、集合時間も書いていないが、
テキトーに18時ごろゆけば大丈夫なのだ。

からあげ・・・。言うまでもなく私のスーパー大好物である。
給食に出れば、風邪で休んだ山田君の分を他の男子生徒と奪い合い。
弁当に入っていれば、それだけでもう幸せ。ガマンできずに早弁してしまう。
金のないとき、三度のアンパン&牛乳、もしくは二度のたぬきうどんをガマンしても
一度のからあげ定食を選ぶ。

そのくらい好きだ。

姉宅で催されるその「ザ・からあげデー」というのは、姉が近所のサティーで大量に買い込む
鶏モモ肉を、かの料理研究家ケンタロウさんのレシピに姉オリジナルの隠し味を加えて、
次から次へと鬼のように揚げてゆき、それを食卓で待ち構える姉の旦那のS義兄さん、私、
5歳と9歳の甥っ子たちの、飢えたハイエナの如き男たちが片っ端から喰らいつくす・・・
という、シンプルかつ大胆かつパワフルな、どこか汗臭い体育会系の雰囲気漂う生命力溢れた行事なのだ。
揚げたての姉自慢のからあげは、弟の贔屓目抜きで筆舌に尽くし難いほど美味である。

そんなワケで、私はこの「ザ・からあげデー」が滅法好きだ。
姉からの一言「やるよ」のエコメールを読んだだけで、パブロフの犬よろしく
条件反射に垂涎たらたらになってしまう。

訊けばこの行事の発端は姉夫婦が新婚の頃に、他の贅沢は特にしないけど、せめて給料日後は
やはりS義兄さんも大好物であるからあげをたらふく食べて楽しもうじゃないか・・・と夫婦で
発案したものであるらしい。

先日も、そんな「ザ・からあげデー」に誘われて、気合は入れて昼飯は抜いて、空腹の雷鳴轟く
胃袋を抱えつつ、意気揚々と姉宅に赴いた。食卓に着くや怒涛の如く揚がるアツアツのからあげを、
旨い旨いと舌鼓を乱打しながら、4人の男たちはひたすらガツガツと食い続けるのである。
もしこの「からあげ男喰い」光景にBGMを流すなら、荒れ狂う日本海でふんどし一丁の長渕剛と清原和博が叩く
大和太鼓の乱れ打ち、もしくは猛吹雪の津軽海峡で紋付袴の哀川翔と柳葉俊郎が弾く
じょんがら節の掛け合い・・・などが宜しかろう。

昨年初頭にダイエットに成功して以来、食に関しては普段は少々ストイックになっているのだが、
この「ザ・からあげデー」の時ばかりは自らの戒めを解き放ち、檻から荒野に放たれたボブ・サップのように
「ウヲオオオオ!カラアゲタベルゾーー!!」と咆哮を上げて挑むのである。

・・・と、ここ数回の「ザ・からあげデー」で、あることに気づいた。
まだ小さな甥っ子たちの食べる量がものすごい勢いで増え続けているのである。
成長しているのだから当たり前の話だが、その増え方は目を見張るものがある。
現代っ子の彼らは、きっと食べ盛りの中学高校生くらいになれば父親のS義兄さんや私よりも
遥かにデカくなり、その喰らう量もハンパな量ではなくなるだろう。姉の家のエンゲル係数は
天文学的数値に跳ね上がり、もしかしたら私なぞ、実り貧しい寒村の口べらしが如く、もう
呼ばれなくなってしまうのではないか・・・。もしくは「もう中年なんだからヘルシーに」
などと言う屁理屈をこねられ、安価なササミをエコナで軽く揚げたのやアジフライでも出される
ようになってしまうのではなかろうか・・・。

そうなる前に姉から、このからあげの作り方の秘奥義を一子相伝に継承しておこうかと思う、
霙のしんしんと屋根に降りつむ夜である。


model desperado
[PR]
by hideet-seesaw | 2011-01-25 01:38 | photograph
the water of flower.
a0152148_16541956.jpg


BGM♪ Time to go / Full moon


私はいつも鼻が詰まっている。

さらに10代の頃までは、何故か大事な場面で鼻水が止まらなくなるという、
なんとも厄介極まりない体質であった。

それは中学2年のとき。全校生徒で体育館に集まって整列して校長先生の話を聞いていたときの話だ。
隣の列に、ちょっと(けっこう)憧れていたS先輩(女)がいて、校長先生の話など
そっちのけの上の空で、ちょっと先輩を意識しつつドキドキしていた。・・・ら、

つつつーーー

鼻水が出てきた。「ちっ・・・またか・・」と慣れたもので、すん、すん、と吸ってごまかして
いたが、ポタ・・ポタ・・と閉め忘れた蛇口ぐらいの勢いだった鼻水が、そのうち放水車くらいの勢いになってしまった。
そんなジャジャ馬な鼻を持っているクセに、ハンカチやティッシュを持ち歩いていない、キタナイ思春期の私でした。

ぐず・・・ずび・・ずびびぃ  

バキュームBYマイセルフでは追いつかないので、手の甲で擦り始め、手がベトベトしてきたので、
学ランの襟口に擦る最終手段でしのいでいた。校長先生の話は終わる気配はない。
少々ビロウな話で申し訳ない。

そんな様子の私に、こともあろうか隣の麗しのS先輩が気づいてしまった。
巧みに誰にも鼻水垂れ流しをバレないようにしていたが、襟口で顔付近を拭いつつ
「ぐず・・ぐずず」と、うつむき加減にしているので、きっと泣いているように見えたのだろう。

「秀人クン・・・泣いてるの?大丈夫?」
「!??×#$☆¥△○・・・!!・・・ハイ・・・ずび・・・大丈夫です・・・ずずぅ」

鼻水がバレそうでこっ恥ずかしいのと、憧れの先輩が気遣ってくれて嬉しいので、完全にパニックに
陥ってしまった。嬉しいのは嬉しいのだが、そんな鼻水状態は絶対見られたくないので、
出来れば放っておいてほしいような・・・。しかしもっと気遣って欲しいような・・・。
思春期の矛盾した思考ってのは、ホント手に負えないほどバカである。

頭の中の状態を例えて言うなら、四畳半一間の散らかった部屋にオードリー・ヘップバーンの容姿をした
林家パー子が、ワーキャー甲高い奇声を上げながら30人ほど、フラメンコダンスを激しく踊りながらやってきたくらい、
ちょっと嬉しい様な、でもかなり大迷惑な様な、そして大パニックな心境であった。

「ねえ、どうしたの?大丈夫・・・?」

と、私が泣いていると思って私の一挙一動を凝視し、優しい小さな声で覗きこんで話しかけてくる。
必死に鼻水ズルズルを悟られまいとする私。校長先生の「で、あるからして・・・生徒諸君は・・・」なんて話を聞いて
感無量で泣く危ないヤツにも思われるかも知れないし、鼻水がバレれば陰でそのまんま「はなみず」なんて安直なアダ名を
付けられるかも知れないし、勢いはそのころナイアガラの滝になっているし、助けてくえれ~~~
と、絶体絶命の救難を神に祈ったその刹那。

「ぐふぶびっ」

むせてしまい、折りしも前方に並んでいたT君の学ランの背中にでっかい「鼻水玉」が弧を描きながら命中した。
S先輩はそれを見るや「うっ・・・」っと一声発して、それきり私を気遣う様子は見せなくなってしまった・・・。
事の全貌を知り、そっとしておくのが良策と考えたのか、はたまた「触らぬ鼻水男に祟りなし」と思ったのか。

私は頭の中が臨終後の心電図のように「ピーーー・・・」っと完全に真っ白になってしまって、
全校集会途中に体育館を抜け出すと、もうイヤんなってそのまま夢遊病患者の様にフラフラと家に帰ってしまった。

その夜、「うおおおおおーん・・・」と負け犬の遠吠えさながらに、枕を濡らした。
そして、その後S先輩とは二度と口を聞くことはなかったのだった。

ちなみに、私のバッちい鼻水玉を学ランの背中に食らったT君。次の日、気になって背中を見てみると、そこにはカッピカピになった
私の鼻水のミイラがまだいた。「うわ・・・」っと思ったが、名乗り出て謝るのもなんなので放っておいたら、
5日間くらいそのミイラは日に日に小さくなりつつも、しぶとく残っていたのが妙に悲しかった。

あまり接点のなかったT君は、今でも私の中の印象は「鼻水ミイラ」でしかない。T君ゴメンなさい。もう時効でしょう。

最近鼻の「鼻中核湾曲症」の手術をしようと思って、ふと思い出した話である。

model sumitaka
[PR]
by hideet-seesaw | 2011-01-21 17:02 | photograph
a smiley new year
a0152148_10425921.jpg


BGM♪ In the mood / Glenn Miller


みなさま、明けましておめでとうございます。
・・・この新年の挨拶、いったいいつまで言ってよいのやら・・・。

この正月、本家である私の実家では、親戚一同総出で賑々しく祝いの宴が催された。
世間は少子化の嵐であるが、こと高水家に至ってはここ数年、少子化なんてクソ喰らえてな
勢いの空前のベビーブームが到来しており、ただでさえたくさんいる同世代のイトコたちが
チビッコたちを引き連れてやってきてりして、その来場人数たるやものすげぇものでした。

私の血筋には、戦後の落語界に於いて一世を風靡し「爆笑王」の異名を取った故・三遊亭歌笑(3代目)
という落語家がおり、父方の親戚はもれなくこの血を引き継いでいる。
「自分が一番おもしろい」と思っている、葬式には適さず、結婚式に向いた人たちばかりなのである。
実際、葬式の湿っぽさに耐えかねて、どーしょもないギャグを飛ばしてしまい、周りの冷笑を買ってしまう者もいる。
かく言う私もとある葬儀で、軽くくだらないギャグを飛ばしてしまったことがある。
周りの人たちは一瞬、私につられて笑ってしまったが、すぐに場をわきまえて、あたふたと
「悲しいです・・・」という顔を取り繕う。私もそれを見て「いけね・・・葬式だった」と我に返るのであった。

そんな人たちが一堂に会する我が家の正月。笑声絶えぬ一日になったのは言うまでもない。

占星術だか風水だか陰陽道だか忘れたが、今年は「笑った者には福きたる」の年であるらしい。

もともと私はかなりの笑い上戸で、34歳になった現在、その目尻にはくっきりとブ厚い笑いジワが
刻まれてしまった。まぁ、これは我が高水家の血筋たる者の証みたいなもので、先に挙げた我が
一族には、少林寺拳法修行僧の額の灸痕が如くこれが刻まれている。

そこで思った。私は人の「笑顔」の写真を撮ることが、何を撮るよりも一番好きなので、
今年からこの「seesaw」とは別に、笑顔の写真満載のブログを書き始めようと。

書いて幸せ。見て幸せ。そんな笑顔のあふれるブログを、これから始めてまいります。
始めたら、このseesawブログに告知いたしますので、一瞥していただければ幸いと存じます。

本年も宜しくお願い致します。

model masahiro meisa
[PR]
by hideet-seesaw | 2011-01-11 10:48 | photograph