「ほっ」と。キャンペーン
like a crazy beast.
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BGM♪ Misirlou / Dick Dale


携帯電話に概ね月に一度の割合で、

「差出人・ネエチャン 件名・明日 本文・やるよ」

という主語句点も飾り気も全くない、徹底的に無駄を省いたシンプルこの上ないエコなメールが届く。

私と同市内に住む二人の子持ちである2歳上の姉は、こうしていつも私を姉家族で月に一度催す
「ザ・からあげデー」に誘ってくれるのだ。もう毎度のことなので、集合時間も書いていないが、
テキトーに18時ごろゆけば大丈夫なのだ。

からあげ・・・。言うまでもなく私のスーパー大好物である。
給食に出れば、風邪で休んだ山田君の分を他の男子生徒と奪い合い。
弁当に入っていれば、それだけでもう幸せ。ガマンできずに早弁してしまう。
金のないとき、三度のアンパン&牛乳、もしくは二度のたぬきうどんをガマンしても
一度のからあげ定食を選ぶ。

そのくらい好きだ。

姉宅で催されるその「ザ・からあげデー」というのは、姉が近所のサティーで大量に買い込む
鶏モモ肉を、かの料理研究家ケンタロウさんのレシピに姉オリジナルの隠し味を加えて、
次から次へと鬼のように揚げてゆき、それを食卓で待ち構える姉の旦那のS義兄さん、私、
5歳と9歳の甥っ子たちの、飢えたハイエナの如き男たちが片っ端から喰らいつくす・・・
という、シンプルかつ大胆かつパワフルな、どこか汗臭い体育会系の雰囲気漂う生命力溢れた行事なのだ。
揚げたての姉自慢のからあげは、弟の贔屓目抜きで筆舌に尽くし難いほど美味である。

そんなワケで、私はこの「ザ・からあげデー」が滅法好きだ。
姉からの一言「やるよ」のエコメールを読んだだけで、パブロフの犬よろしく
条件反射に垂涎たらたらになってしまう。

訊けばこの行事の発端は姉夫婦が新婚の頃に、他の贅沢は特にしないけど、せめて給料日後は
やはりS義兄さんも大好物であるからあげをたらふく食べて楽しもうじゃないか・・・と夫婦で
発案したものであるらしい。

先日も、そんな「ザ・からあげデー」に誘われて、気合は入れて昼飯は抜いて、空腹の雷鳴轟く
胃袋を抱えつつ、意気揚々と姉宅に赴いた。食卓に着くや怒涛の如く揚がるアツアツのからあげを、
旨い旨いと舌鼓を乱打しながら、4人の男たちはひたすらガツガツと食い続けるのである。
もしこの「からあげ男喰い」光景にBGMを流すなら、荒れ狂う日本海でふんどし一丁の長渕剛と清原和博が叩く
大和太鼓の乱れ打ち、もしくは猛吹雪の津軽海峡で紋付袴の哀川翔と柳葉俊郎が弾く
じょんがら節の掛け合い・・・などが宜しかろう。

昨年初頭にダイエットに成功して以来、食に関しては普段は少々ストイックになっているのだが、
この「ザ・からあげデー」の時ばかりは自らの戒めを解き放ち、檻から荒野に放たれたボブ・サップのように
「ウヲオオオオ!カラアゲタベルゾーー!!」と咆哮を上げて挑むのである。

・・・と、ここ数回の「ザ・からあげデー」で、あることに気づいた。
まだ小さな甥っ子たちの食べる量がものすごい勢いで増え続けているのである。
成長しているのだから当たり前の話だが、その増え方は目を見張るものがある。
現代っ子の彼らは、きっと食べ盛りの中学高校生くらいになれば父親のS義兄さんや私よりも
遥かにデカくなり、その喰らう量もハンパな量ではなくなるだろう。姉の家のエンゲル係数は
天文学的数値に跳ね上がり、もしかしたら私なぞ、実り貧しい寒村の口べらしが如く、もう
呼ばれなくなってしまうのではないか・・・。もしくは「もう中年なんだからヘルシーに」
などと言う屁理屈をこねられ、安価なササミをエコナで軽く揚げたのやアジフライでも出される
ようになってしまうのではなかろうか・・・。

そうなる前に姉から、このからあげの作り方の秘奥義を一子相伝に継承しておこうかと思う、
霙のしんしんと屋根に降りつむ夜である。


model desperado
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by hideet-seesaw | 2011-01-25 01:38 | photograph


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